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マンション経営で失敗しないためには、メリットだけでなくデメリットも知っておくことが重要です。しかし初めてマンション経営をする人にとっては、どんなデメリットがあり、どう対策すればよいのかわからない方もいるかと思います。
そこで本記事ではマンション経営のメリットとともに、デメリットとその対策をわかりやすく解説します。
マンション経営のメリット
まずマンション経営の代表的なメリットにはどんなものがあるか見てみましょう。
年金の代わりになる
マンション経営は、将来的に不足するといわれている年金の代わりになります。マンション経営の家賃収入は、入居者がいる限り長く定期的に収入をもたらすためです。
しかもマンションの管理は、一般的には管理会社に委託するため、所有者が手をかけることはほとんどありません。手間をかけずに一定の収入が継続して得られるマンション経営は、定期的に支払われる年金にとてもよく似ています。
なかには将来の資産形成として、株式投資などに関心を持つ方もいるかもしれません。しかし株式投資はリスクが高く、将来の老後資金を確実に作れるとは限らないでしょう。
一方のマンション経営は、少ないながらも、継続的に収入が生まれます。さらに将来まとまったお金が必要になった場合は、売却して現金化することも可能です。将来に安定した収入をもたらすマンション経営は、まさに年金代わりといってよいでしょう。
損益通算で節税効果を期待できる
マンション経営はサラリーマンにとって、節税効果が期待できる、というメリットがあります。
マンション経営の収益は、本業の所得と合算する損益通算が可能です。これによりマンション経営が赤字のとき、損益通算することでサラリーマンとしての給与所得を下げられます。所得が下がれば所得税や住民税の節税になり、さらに所得税率も下がることがあります。
たとえば本業の年間所得が700万円、マンション経営が200万円の赤字だとします。これを損益通算すると年間所得が500万円になり、所得税・住民税が減るだけでなく所得税率が20%に下がるのです。
[図表]所得税率
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円から194.9万円まで | 5% | 0円 |
195万円から329.9万円まで | 10% | 9.75万円 |
330万円から694.9万円まで | 20% | 42.75万円 |
695万円から899.9万円まで | 23% | 63.6万円 |
900万円から1,799.9万円まで | 33% | 153.6万円 |
1,800万円から3,999.9万円まで | 40% | 279.6万円 |
4,000万円以上 | 45% | 479.6万円 |
※ 平成25年から令和19年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1パーセント)を併せて申告・納付することとなります。
インフレや景気変動に強い
マンション経営は、インフレに強いというメリットを持ちます。インフレとは物価が上昇し、お金の価値が下がる状態です。
たとえば景気がよく物が売れると、需要が供給を上回るため、物の値段が上がります。すると以前は1,000円で買えた物が
1,000円では買えなくなってしまうため、現金の価値が下がっていることになります。この状態がインフレであり、貯金などの現金資産は価値が下がってしまいます。
一方マンションなどの現物資産は、インフレでも景気は良いため欲しい人が増える可能性があります。するとインフレ前に1,000万円だったマンションが、1,200万円に価格が上がることもあるのです。
逆に景気が悪化してもマンション経営は強みを見せます。マンション経営の収入源である家賃は、景気が悪くなってもすぐに下がることはないからです。少なくとも契約期間中は初めに決めた家賃を払ってもらえるため、ダイレクトに景気変動の影響を受けにくいのです。
マンション経営のデメリット
マンション経営にはメリットがある一方で、注意したいデメリットもあります。
空室対策で失敗しローンが負担に
マンション経営の1番のデメリットは、空室対策で失敗してローンの返済が負担になることです。空室になることは、もっとも避けたい事態です。家賃収入が途絶えてしまうからです。空室になるのは主に次の3つの原因が考えられ、しっかりと対策を取ることが大切です。
・設備が古い
物件を購入してから設備を更新しなけば、新しい需要に追いつくことができず、古い物件として空室がどんどん増えてしまいます。無料Wi-Fiを設置するだけでも、インターネットを頻繁に使う世代からの需要を満たすことができます。
・周辺に競合が多い
投資をする物件の周辺に競合が多ければ、当然空室になるリスクは高まります。特に都心はマンションが年々増え続けています。競合物件に新規入居者を取られないためには、競合物件をよく調べて、自分の物件が劣っているポイントを埋めていく作業が必要です。不動産仲介業者ともタッグを組んで、競合とは異なるターゲットに絞る方法も効果的です。
・宣伝活動の不足
空室になるのは、物件の宣伝活動が足りないことが考えられます。安易に知人の紹介や近所の不動産会社に仲介を頼まず、ネットなどを活用し幅広く宣伝してくれる不動産会社を選ぶべきです。
老朽化による2つのリスク
マンション経営には建物老朽化というデメリットがあり、空室と修繕費という2つのリスクを招きます。
建物が老朽化すると部屋の設備が故障したり、内装や外観が劣化したりします。劣化を直さずに放置していると見た目や安全面からも敬遠されやすく空室のリスクが高まってしまいます。同条件の立地や賃料であれば、新しいほうがいいとなる方が多いのではないでしょうか。
また、エアコンや給湯器、トイレやキッチンなど複数の設備交換のタイミングがまとまれば、大きな修繕費がかかりマンション経営を圧迫するリスクがあります。建物は必ず老朽化します。ですが、こうしたリスクをなるべく購入時から遠ざけるためには、新築や、築浅の状態のいい物件を選ぶことがおすすめです。
まとめ
マンション経営は長期的な目で見たときに、非常にメリットのある投資先だといえます。長く安定した収益をもたらし、景気に左右されにくいため、将来に備える資産形成に最適です。
もちろんマンション経営にも、お伝えしたようなデメリットがあります。実際に始めるときは十分な対策を取ったうえで取り組むようにしましょう。