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資産形成の手段として人気の高い不動産投資。専業大家だけでなく本業を持ちながら副業として不動産に投資する「サラリーマン大家」という言葉を目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。資産形成の手段として不動産投資を選択する人が増えているのはなぜなのか。今回は、不動産投資初心者の方に向けて、不動産投資の種類や魅力を詳しくご紹介します。
不動産投資とはどんな仕組み?
不動産投資とは、家賃収入や売却益の獲得を目的とし、マンションやアパートなどの不動産を購入して運用・管理する投資手法です。
不動産投資で得られる利益は主にインカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)の2種類があります。
インカムゲインとは、資産を保有しながら得られる利益です。不動産投資の場合は、物件を他の人に貸し出すことで得る家賃収入がこれにあたります。
キャピタルゲインとは、資産の売却により得られる利益です。不動産投資の場合は、購入した不動産を、購入した金額以上の価格で売却できた際の利益がこれにあたります。
1980年代のいわゆるバブル期における不動産投資は、キャピタルゲインによる売却利益を目的とした不動産投資が主流でした。しかし近年では、インカムゲインによる毎月の賃料収入を目的とした不動産投資が注目されています。
不動産投資の主な種類
ひと口に「不動産投資」といっても、投資可能な不動産にはいくつか種類があります。では初心者が比較的始めやすい不動産にはどのようなものがあるのでしょうか。
①マンション投資
マンションの投資は、以下のように区分されます。
- 新築区分投資
- 中古区分投資
- 新築一棟投資
- 中古一棟投資
区分投資とは、アパートやマンションの1室など、区分された販売単位で購入・運用し、家賃収入によって利益を得る投資手法です。
一棟投資は、アパートやマンションまたはビルを一棟丸ごと購入・運用する投資手法です。
初心者の方には、少ない資金で始められる「マンション区分投資」がおすすめです。マンションのなかでも、とくにワンルームマンションは初期投資資金が少ないため、初心者向きとされています。
②駐車場投資
駐車場投資は、ニーズの高い土地選びを慎重に行えば、初心者の方にも比較的始めやすい投資方法です。また、購入した土地を駐車場として整備するだけであるため、建物を建設することに比べ初期費用を抑えられます。
なお、相続などにより思いがけず土地を取得することになった場合、土地は持っているだけで固定資産税がかかるため、駐車場へと整備して収益を生むという選択肢もあります。
また、駐車場の運用を管理会社に委託すれば、メンテナンスや管理の手間はかかりません。さらに、将来的に土地を売却する際にも、建物解体の費用がかからず、転用が簡単であることもおすすめできるポイントとして挙げられます。
③戸建て投資
戸建て投資とは、中古または新築の戸建住宅を購入し賃貸に出すことで、家賃収入から利益を得る投資手法です。
初めから投資用として戸建てを購入するケースは少なく、転勤・離婚・相続といった何らかの事情が生じた結果、戸建てを貸し出される方が多い傾向にあります。
戸建て住宅は、集合住宅と比べて入居期間が長い傾向にあるため、安定した家賃収入を見込めます。また、アパートのような共用部分が存在せず、ほとんどの場合入居者が自主的に手入れするため管理の手間がかからないというメリットもあります。
ただし、雨漏りやシロアリ被害などが発生するほど物件が古い場合、高額な修繕費がかかることがあるため、定期的に修繕等メンテナンスをおこなうことが大切です。
不動産投資の魅力
実際に不動産投資をおこなっている投資家たちは、どのような点に魅力を感じているのでしょうか。
収益が安定している
不動産投資の最大の魅力とは、家賃収入による安定した収益です。一度に大きな利益を得ることは難しい反面、毎月安定した収入が得られることは心強いでしょう。
株式投資やFXのように変動が大きなハイリスク・ハイリターンの資産運用とは異なり、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンとされています。そのため、そこまでリスクを背負いたくない、けれどもある程度のリターンは欲しいという投資家から人気です。
老後資金を調達できる
我が国における公的年金は今後、国民年金保険料の増加が見込まれる一方で、年金受給額は減少する可能性が高いとされています。また、年金受給年齢もさらに引き上げられることが予想され、国民の老後に対する不安は高まっています。
一定の収入がある現役時代に不動産投資で収入源を確保しておけば、インカムゲインやキャピタルゲインによる老後資金の調達も期待できます。
また、不動産投資では、購入する不動産を担保にローンを組んで資金調達ができます。何千万円といった高額な自己資金を必要としないため、ローン審査に通れば会社員でも不動産投資が可能であることも人気の理由のひとつです。
インフレに強い
インフレ=物価が上昇することで、相対的に現金の価値が下がります。そのようななか、不動産は実物資産のため、物価と同様に価値が上昇します。このように、不動産投資は物価変動に強く、インフレの影響を受けにくいことが特徴です。
不動産投資の注意点
ここまで不動産投資の魅力を紹介してきましたが、もちろん、良い点ばかりではありません。不動産投資をおこなううえでの注意点について、3つのポイントを紹介します。
空室になる恐れがある
当然ですが、空室になると家賃収入は入ってきません。次の入居者がすぐに決まる、あるいは決まっているのであれば問題はありませんが、退去時期によっては入居者が決まらず空室期間が長引くことになります。
空室期間を長引かせない対策として、家賃の値下げや設備の更新、賃貸管理会社に管理を依頼することなどがあります。ただし、管理会社は会社によって対応に差があるため、入居率を開示している、問合せに対する返答が早いなど、実際に接してみて信頼できそうな管理会社を選ぶことが大切です。
建物の経年劣化による家賃の減額
建物は年月の経過とともに劣化します。入居者の目線にたてば、家賃が同じであれば、劣化した築古物件よりも、築浅物件を借りたいと考えるのは当然です。そのため、築年数の古い物件に入居者を集めるためには、家賃を下げざるを得なくなります。
家賃の値下げを防ぐためには、入居者が入れ替わるときにリフォームや修繕工事をおこない、資産価値を維持しなければなりません。そうした修繕費用を、運営コストとして当初から計画に入れておくことが大切です。
火災や地震・台風よる不動産の損壊・倒壊
不動産投資では、火災によって建物が焼損してしまう可能性も考えなければなりません。地震や台風による建物の破損・倒壊、さらには大雨によって浸水被害に遭う恐れがあります。
こうした災害リスクを未然に防ぐことは不可能です。そのため、損害保険への加入や耐震補強した不動産の購入など、自然災害への事前の備えは必須といえます。また、購入前にはハザードマップで、自然災害が発生する可能性が低いエリアであるかの確認をしておきましょう。
成功させるためには事前の勉強が重要!
リスクのない投資はありません。それは不動産投資についても同様です。安定したリターンを獲得するには、正確なリスクヘッジが必要です。そのために、事前に勉強し知識を深める必要があります。多くの投資家が実践している勉強法をみていきましょう。
本で幅広い知識を得る
不動産投資に関する知識を深めるには、専門書の活用がおすすめです。書籍であれば何度も読み返すことができ、知識が身につくまで反復して学習できます。不動産の基本や税金について、正確な知識を得ておくことは不動産投資を続けていくうえで必ず役立ちます。
ネットで知りたい情報を探す
情報は日々更新されるため、インターネットを活用した最新情報の獲得がおすすめです。初心者向けの情報をまとめているサイトも多く、インターネットでの情報収集は広く浅い知識を学ぶことに適しています。
ただし、インターネット上には不確実な情報も多いため、すべてを鵜吞みにするのではなく、複数の情報を照らし合わせるなど、信憑性を確認しましょう。
複数の不動産会社に問い合わせる
本やインターネットの情報を介した独学方法のほかに、複数の不動産会社に問い合わせることもおすすめです。不動産のプロに直接話しを聞くことで、知識がより深くなり、希望購入物件をより詳しく知ることができます。
また、不動産会社によっては投資家セミナーが実施されているため、参加することで新しい情報を得られます。さらに、不動産家同士の繋がりが持てるうえ、不動産に関する情報交換の機会も得られることでしょう。
まとめ
不動産投資は、インカムゲインとキャピタルゲインのどちらも狙える、資産形成の手段として有効な投資手法のひとつです。しっかりリスクヘッジすることで、安定したリターンを見込めます。
また、ローンを組んで物件を購入すると、少ない自己資金で投資を始められます。購入不動産を担保にすることで審査にも通りやすくなり、家賃収入によるローン費用の回収と利益の獲得が可能です。
ミドルリスク・ミドルリターンで安定した収入を得られる、不動産投資をご検討されてはいかがでしょうか。