投資初心者は何から始める?代表的な投資手法の特徴とメリット・デメリットを解説

今後のライフステージに必要な資産を形成するために投資を始めようと考えたものの、なにから手をつけてよいか迷ってしまう人も少なくありません。一口に「投資」といっても、株式や不動産などさまざまな種類の資産があるほか、金融商品によって異なる特徴があり、投資の目的によってメリット・デメリットが変化します。本記事では、投資初心者が投資に失敗しないよう、最低限押さえておきたい投資の心構えと、代表的な投資手法の特徴およびメリット・デメリットを解説します。

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今後のライフステージに必要な資産を形成するために投資を始めようと考えたものの、なにから手をつけてよいか迷ってしまう人も少なくありません。一口に「投資」といっても、株式や不動産などさまざまな種類の資産があるほか、金融商品によって異なる特徴があり、投資の目的によってメリット・デメリットが変化します。本記事では、投資初心者が投資に失敗しないよう、最低限押さえておきたい投資の心構えと、代表的な投資手法の特徴およびメリット・デメリットを解説します。

投資を始める主なきっかけとは?

どのような理由で投資を始める人が多いのでしょうか。投資に興味がある方は、ご自身に当てはまるものがないか確認してみましょう。

将来や老後への金銭的不安

投資を始めるもっとも多い理由と考えられるのが、将来への金銭的な不安です。

「人生100年時代」といわれる今、長く続くと予想される引退後の生活費に不安を感じる人は少なくありません。少子高齢化によって年金の受給にも不安が残ることから、老後や将来に向けての金銭を備えるために、投資に興味を持つ人が増えています。

家族や友人からの勧め

家族や友人から勧められて、投資を始める人もいます。親しい人が投資をしていると、近くに相談できる人がいるという安心感から、投資へのハードルが下がりやすくなります。
また、「コツコツ投資をしていたら、数年後意外に利益が出た」というような、身近な人の成功体験を聞いて投資に興味を持つ人も少なくありません。

投資するには何から始めればいいの?

投資初心者の方が投資を始める際、何から始めればよいのでしょうか。
ここからは、投資を始めるまでのステップについて解説します。

なぜ始めるのかを明確にする

投資を始める事前準備として、投資の目的を明確にすることが重要です。なぜなら、投資の目的によって適した投資方法や種類が変わるためです。

投資を始めるきっかけ・目的として、以下のような例が挙げられます。
・老後の生活費のため
・子どもの教育資金のため
・マイホーム購入の頭金を準備するため

上記のように、投資を始める際は目的を明確にすることで、その目的に適した投資方法を選べるようになります。

現実的な目標を設定する

投資を始める際、現実的な目標を設定することが重要です。投資を始める理由の多くは「お金を増やすこと」ですが、短期で大きな利益を得ようとすると、その分リスクも高まることから、大きな損失を被ってしまう可能性もあります。

「長期・短期のどちらで運用するのか」「理想のリターンを得るには何年かかるのか」「目標の金額を投資で得るためには、自己資金がいくら必要か」などを考えたうえで、ご自身の生活や家計を踏まえて投資プランを設定しましょう。

どの投資を始めるか決める

投資の目的を明確にしたあとは、投資の種類を決めましょう。投資にはさまざまな種類があります。投資の種類によって特徴が異なり、メリット・デメリットにも違いがあります。

投資手法の主な5種類

投資資産・手法のなかでも代表的な5種類について、特徴やメリット・デメリットを詳しく説明します。自身の目的やリスク許容度に適した投資方法を確認しましょう。

①建物を運用する「不動産投資」

この記事ではマンション・アパートなどの建物への投資を通じて利益を得る不動産投資について説明します。

不動産投資で利益を得る方法は、大きく2つのパターンがあります。

(1) 賃貸物件として貸し出して、家賃収入を得る(インカムゲイン)
(2) 不動産価値が上がった時に売却して、売却益を得る(キャピタルゲイン)

(1) の場合は、不動産を購入して長期的に賃貸経営を行うことで、継続的に利益を得る方法です。
(2) は、売買差益によって利益を獲得するため、物件価格や地価の上昇を狙った投資に向いています。

 不動産投資のメリット 不動産投資のデメリット
・他人資本で投資できる(レバレッジ)
・安定収入が得られる
 (ミドルリスク・ミドルリターン)
・資産になる
・節税できる
・生命保険の代わりになる
・インフレに強い
・すぐに換金化できず流動性が低い
・空室が続けば家賃収入が得られず、
 利益がマイナスになる可能性もある
・災害リスクがある
・固定資産税などランニングコストがかかる

なお、不動産投資で利益を得るためには、満室が見込まれる優良物件か、不動産価値が今後上昇していくかなどを見極める必要があります。

投資する価値のある物件を見極めるためには専門知識が必要です。セミナーや書籍などで不動産投資の知識を深めることから始めましょう。

②専門家が運用する「投資信託」

投資信託とは、投資の専門家が投資家から集めた資金で株式や債券を運用して、その利益を投資家に還元する投資方法です。

ファンドマネージャーとよばれる投資のプロが運用を行うため、投資家は煩雑な手続きや手間をかけずに運用益を受け取れます。

投資信託のメリット投資信託のデメリット
・投資のプロに運用を任せるため、専門知識を
 必要としない
・煩雑な手続きや手間がほとんどない
・少額から始められる
・個人では投資がしにくい国や地域、資産にも
 投資が可能
・国内外の株式や債券、不動産などさまざまな銘柄に分散投資ができるため、リスクが低い
・元本が保証されていないため、元本割れのリスクがある
・投資のプロに運用を任せるため、利益が出ていない場合でも手数料がかかる
・短期売買では複利の効果を得にくい

投資信託は、まとまった資金や専門知識がなくても始められるため、初心者におすすめの方法といえます。

③インターネット上の「暗号資産」

暗号資産とは、インターネット上で取引される電子通貨のことで、仮想通貨とも呼ばれています。代表的な暗号資産には「ビットコイン」や「イーサリアム」などがあります。

このような暗号資産は、国や銀行が発行する法的通貨ではないため、利用者の需給関係によって通貨の価値が大きく変動することが特徴です。つまり、ハイリスク・ハイリターンな金融商品といえます。

暗号資産のメリット暗号資産のデメリット
・価格変動の幅が他の金融商品より広く、ハイリターンが期待できる
・24時間365日いつでも取引できる
・少額から始められる
・価格変動が大きいため、通貨価値の大幅な下落も考えられる(ハイリスク)
・国や金融機関による保証がない

近年では、暗号資産を法的通貨として認める国が出てきたり、日本国内でも法整備が進んだりしていることから、今後は利用者の増加が予想されます。

④外貨を用いる「FX」

FXとは、為替取引を指します。各国の通貨に投資して、為替変動によって生じる為替差益や通貨間の金利差によって利益を得る取引です。

このFXで期待できる効果として、レバレッジとよばれる仕組みがあります。レバレッジとは、担保となる自己資金より多額の金額を運用できる仕組みのことで、少ない資金で大きなリターンを狙えることが特徴です。

FXのメリットFXのデメリット
・レバレッジが利用できる
・少額から始められる
・手数料が安い
・為替差損が出た場合、大きな損を被る可能性がある
・国の情勢に大きく影響を受けるため、相場の急変動が予想される

なお、為替は国の情勢や景気動向、金融政策などによって日々変動するため、日頃から社会情勢や経済状況などを広くチェックしておくことが重要です。

⑤企業の成長性を見極める「株式投資」

株式投資とは、企業が発行する株を購入する投資方法です。

利益を得る方法には、大きく2つのパターンがあります。

(1) 企業の業績に応じて分配される配当金を受け取る(インカムゲイン)
(2) 購入金額より株価が上がったタイミングで売却して利益を得る(キャピタルゲイン)

配当金によって利益を得る①の場合は、長期運用に適しており、逆に、売買差益を狙う②については、短期投資が適しています。

なお、株の売買については証券会社を通して行います。

株式投資のメリット株式投資のデメリット
・株価変動によって、短期間で大きな利益が
 期待できる
・長期運用によって安定した配当金が受け取れる
・持ち株数に応じて株主優待が受けられる
・株価変動により大きな損失を被る可能性がある
・自身で取引するため、専門的な知識が必要

企業の株価は、業績や景気、投資家の需給状況によって常に変動しています。初心者は短期的な株価の変動を予測することが難しいため、配当利回りが高い株式、株主優待が受けられる株式を選んで、長期運用を目指すことをおすすめします。

投資の種類によって必要な準備は異なる

どのような投資方法を選択するかによって、必要な準備が異なります。ここからは、不動産投資と投資信託を選択する場合に必要な準備について、具体的な例を用いて解説します。

例①不動産投資の場合

不動産投資は多くの場合、金融機関からの融資を受けて不動産を購入します。不動産投資に必要な準備は下記の通りです。

(1) 予算を決めて購入する物件を選ぶ
(2) 金融機関でローン審査を受ける
(3) 実際に不動産を購入する

実際に購入する物件は慎重に選ぶ必要があるほか、物件の購入には多額の資金が必要です。融資を受ける審査にも時間を要するため、株式や投資信託よりもハードルが高くなりやすいといえます。

また、実際に物件を所有することから、投資する対象の規模によっては毎年の税金等諸々の対策が必要となります。

例②投資信託の場合

投資信託の場合は、証券取引用の口座を介して銘柄を売買します。

投資信託に必要な準備は下記の通りです。

(1) 金融機関で投資信託用の口座を開設する
(2) 自分の目的に合った銘柄を選ぶ
(3) 実際に銘柄を購入する

投資信託用の口座を開設して、資金を入れておくと、すぐに投資を始められます。投資信託の運用や管理はファンドマネージャーが行うため、手間や労力を抑えられます。

リスクがあることも理解しましょう

投資を始める際は、投資対象物の価格は常に変動しており、リターンは不確実であるという点を理解しておくことが大切です。投資の方法によってリターンやリスクの程度は異なりますが、投資対象物の価格の下落によって、損失が発生してしまう可能性があります。

これから初めて投資をする方は、無理のない資金の範囲内で運用するとともに、リスクをできるだけ低減できるよう投資方法を工夫することが重要です。

リスクを低減できる投資方法として、以下が挙げられます。

・投資先を複数に分ける
・複数の金融商品を組み合わせる
・異なる複数の地域に投資する

1つの金融商品に固執せず、異なる推移をみせる複数の金融商品をバランスよく組み合わせることで、リスクを分散させて安定したリターンを目指すことが可能です。

まとめ

投資初心者の方に向けて、投資の種類や選び方についてご紹介しました。

投資を始める際は、やみくもにスタートしてはいけません。投資の目的や利益の目標額などを明確にしたうえで、自分に合った投資方法や金融商品を選ぶことが大切です。

今や個人資産で投資できる金融商品は、多種多様に存在します。
それぞれのメリット・デメリットを考慮しながら、投資する金融商品を決めましょう。