定期預金は意味がない?3つのデメリットとおすすめ資産運用法

銀行にお金を預ける方法は『普通預金』『定期預金』『積立預金』があります。その中でも、金利が高いからと、定期預金の利用を考える方は多いでしょう。定期預金は元本が保証されており、確実にお金を増やすことができますが、一方で「定期預金は意味がない」という意見もあります。 そこで今回は、定期預金の概要や3つのデメリットを解説します。加えて、お金を増やしたい方におすすめの資産運用の方法もあわせてお伝えします。

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定期預金とは?普通預金と積立預金との違い

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定期預金とは、あらかじめ預け入れる期間を決めたうえで、銀行にお金を預ける方法です。預け入れる期間や適用利率は銀行ごとに設定されており、約1ヶ月~10年の期間から選べます。

それでは、普通預金や積立預金との違いから、定期預金の仕組みをさらに詳しくみていきましょう。

普通預金との違い

普通預金がいつでも好きなタイミングで引き出しが可能なのに対し、定期預金は基本的に預け入れ期間が終わるまでお金を引き出せません。どうしてもお金が必要になれば中途解約できる銀行がほとんどですが、解約した段階で中途解約利率などの、定期預金よりも安い利率が適用されます。受け取る際の金利が下がる  のはそのためです。

金利は、普通預金よりも定期預金のほうが高く設定されていますが、定期預金の金利は、高水準のネットバンクでも0.1%前後と低金利が続いています。

普通預金と同じ点もあります。たとえば、銀行にお金を預けて適用金利に応じて利息を受け取れる点は、定期預金と普通預金に違いはありません。

元本が保証されている点も定期預金と共通しています。また、預け入れる資金が大きくなるほど、そして期間が長くなるほど、高い金利が適用されます。

積立預金との違い

積立預金とは、定期的に普通預金のお金から一定額ずつ積み立てていくものです。自動振替(自動引き落とし)を選べば、給与の振り込みにあわせて積み立てることができます。

定期預金は預け入れの期間を定めて任意の金額を積み立てる預金方法です。一方、積立預金は少額から定期的に積み立てていく預金方法です。積立預金の1回あたりの積立額は、銀行ごとに異なるルールにのっとって、自分で自由に決められます。また、普通預金のように預け入れや引き出しが自由です。

ただし、積立預金の金利は普通預金とほとんど変わりません。「貯金箱」感覚でお金を着実に貯めるのには役立ちますが、お金を増やす方法としては十分とはいえないでしょう。

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意味がない?定期預金のデメリット

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一定期間、銀行に預けておくだけで、元本を保証しながら普通預金よりも高金利でお金を預かってもらえると思えば、定期預金は魅力的な金融商品に映るかもしれません。

しかし、子どもの教育費や自身の老後資金など、今よりお金を増やす運用方法として定期預金を利用するのであれば、ほかの資産運用をおすすめします。

お金を増やしたい人にとって、なぜ定期預金がデメリットになるのかを解説します。

金利が低い

かつて高金利が当たり前だった時代には、定期預金の金利が年6%も珍しくありませんでした。しかし、低金利政策が長く続いており、大手銀行が掲げる定期預金は年0.002%ほどとなっています。先述のとおり、ネットバンクの金利は0.1%前後とやや高めですが、それでも1%にも満たないのです。

たとえば、年利0.1%のネットバンクの定期預金に100万円を5年間預け入れたとしましょう。5年後の利息は約5,000円、さらに税金が差し引かれると4,000円ほどです。

100万円を預けて、5年で4,000円となると、定期預金で資産を増やすのは難しいでしょう。

満期まで引き出せない

原則として、あらかじめ決めた期間中はお金を引き出せないというルールがあります。

とはいえ、銀行の定める手続きを行えば満期前に中途解約できますし、定期預金は元本を保証されているので、解約しても損をすることはありません。しかし、当初設定されていたよりも低い利率で算出された利息に変更されます。

当初予定していたよりも利息が減れば、資産を増やすことは現実的ではありません。定期預金は、無理のない金額で満期まで預け入れることができるよう、計画的な利用が大切です。

保証は各銀行1,000万円まで

金融庁は、銀行が経営破綻した場合に備えて、預金保険制度を導入しています。この制度によって、一般的な普通預金や定期預金は、一人あたりの預金がひとつの金融機関ごとに合算されたうえで、元本1,000万円までと破綻した日の利息が保証されています。

つまり、1,000万円以上のお金は戻らないリスクがあるということです。

銀行の破綻は簡単に起こるものではありませんが、大切な資産を守るためにも、預け先を分散させておくと良いでしょう。

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使い方によってはメリットも!定期預金の活用方法

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定期預金は大きなリターンを見込めず、簡単に引き出せないなどのデメリットはありますが、使い方によってはメリットの大きい資産運用です。

ここでは、定期預金で実感できるメリットを紹介します。

安全かつ確実に貯金する

定期預金ではあらかじめ決めた期間はお金を引き出せないため、一定期間のあいだ安心・安全に貯蓄できます。手元にあると無駄遣いが心配という方や、数年後にまとまったお金を使う予定がある方は、金庫代わりに活用するのがおすすめです。

資産運用としての目的はほとんど果たさない定期預金ですが、元本が保証される大きな魅力もあります。1,000万円を超えなければ、たとえ銀行が破綻しても保護されますから、確実な貯金を目的とするなら定期預金のメリットは大きいでしょう。

使う予定のないお金で銀行から信頼を得る

わずかな差とはいえ、定期預金は普通預金より高金利です。使う予定もなく、なんとなく預けたままというお金があるなら、ぜひ定期預金に預け入れましょう。

銀行の総合口座で定期預金を始めると、当座借越が使えるのがメリットのひとつです。カードの引き落としなどで残高不足になったとき、定期預金のお金を担保に自動で借入れできる当座借越は、定期預金で銀行から信頼を得たことの証でもあります。

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定期預金はやめとく?おすすめ資産運用

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定期預金は安全な貯蓄法としてはおすすめできますが、お金を増やす方法はほかにもあります  。そこで最後に、定期預金以外で、お金を増やすのにおすすめの資産運用法を紹介します。

投資信託

投資信託とは、多くの投資家からお金を集めることでまとまった資金をプロが運用するものです。成果があれば出資金額に応じて投資家に分配されます。

運用目的や株式と債券の割合など、商品によってさまざまな特徴があり、投資金額も含めて自分で自由に選べます。プロが運用してくれるので、難しい知識も不要です。

ただし、市場動向によっては運用がうまくいかず元本割れを起こすリスクがあります。また、口座の維持や売買には手数料がかかります。リターンを狙えても、定期預金のような元本保証がなく、ある程度のコストも必要です。

公社債

公社債とは、国や自治体、企業などが投資家からお金を借りる代わりに発行する証書です。公社債を発行してまとまった資金調達を達成する代わりに、投資家に利息を払います。

発行体が国や大企業とあって比較的安全性の高い資産運用法として人気で、多くの金融機関でさまざまな公社債が販売されています。

公社債は、定期預金と同じように、あらかじめ元本の返済期間(償還期日)が決まっており、その日まで一定の利息を受け取れます。公社債も中途解約できますが、市場価格は日々変わるため、解約のタイミングによっては元本割れする可能性もあります。

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まとめ

定期預金は元本割れを防ぎ、着実に貯金したい方にはおすすめです。一方で、将来のためにお金を増やす手段としては、おすすめとはいえません。自分の目的に合った資産運用をしましょう。

現在の資産、今後のライフプランなどから、定期預金を含め、適切な資産運用の方法を模索することをおすすめします。