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「つみたてNISA」を始めるならいつ?
結論、つみたてNISAを始めるタイミングはいつでも構いません。投資時期は、個々人の資産形成プランによっても異なるので、自身のタイミングでスタートさせましょう。
ただし、つみたてNISAには期限があり、投資可能期間は2042年12月までです(2021年現在)。早めに口座を開設して、運用を始めることで、積立期間を長く取ることができます。
例えば、つみたてNISAを2022年1月から開始するなら、2041年末までの最大20年間にわたって毎年40万円、最大800万円まで積立投資を行うことができます。
つみたてNISAは20年間、年間最大40万円の運用益が非課税です。2023年1月までにつみたてNISAを開始すれば、2042年末までの20年間を非課税で運用できます。
また、投資信託などの価格変動リスクのある金融商品で積立投資をすると、ドルコスト法によってリスクを低減できます。投資で運用商品を売却するとき、購入時よりも価格が下がって損をすることもあります。
ドルコスト平均法は、「一定金額を定期的」に購入して投資時期を分散することでリスクの低減を図る投資方法です。毎月一定額を購入するため価格が上がったときは購入を減らし、価格が下落したタイミングで多く購入できます。
そのため、つみたてNISAならスポット投資のようにチャートを気にする必要もなく、20年間フルに積み立てたいという希望がない限りは、そこまでタイミングに気にしなくとも良いでしょう。
【5つの手順】つみたてNISAの始め方
実際につみたてNISAの始め方を紹介していきます。つみたてNISAを始めるときの手順は、以下の5ステップです。
手順1.金融機関を選ぶ
手順2.口座開設を申し込む
手順3.口座に入金手続きを行う
手順4.投資信託を選ぶ
手順5.毎月の積立金額を決定する
この項目では、手順を詳しく解説します。
手順1.金融機関を選ぶ
最初に、つみたてNISAの口座を開設する金融機関を選びます。金融機関(証券会社や銀行など)を選ぶポイントは2つあります。
最低積立金額を確認する
多くの金融機関では、積立金額の最低額を100円、1,000円、10,000円に設定しています。しかし、金融機関ごとに設定が異なるため、毎月の投資したい金額で積立投資ができるか確認しましょう。
投資したい銘柄で決める
銘柄のラインアップは金融機関によって違います。目当てにしている銘柄があるなら、それを取り扱っている金融機関を選びましょう。
特に目当ての銘柄が決まっていない場合は、銘柄の取り扱い数が多い金融機関を選ぶことをおすすめします。
手順2.NISA口座開設を申し込む
金融機関を選んだら、次は口座開設の手続きに進みます。つみたてNISAを利用するには、銀行口座や証券口座のほかに、その口座に紐付いたNISA専用の口座が必要です。
所有している口座を使ってNISA口座の開設を申し込むか、新規に銀行口座(または証券口座)とNISA口座を同時に開設するか、を選択します。
新規に口座開設する際には、本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)が必要になるため、事前にそろえておきましょう。保険証など写真のない書類には住民票などの補足書類の提示が必要になりますので、金融機関にしたがって準備してください。
ネット証券やネット銀行で口座開設する場合は、口座開設画面から本人情報を入力し、本人確認書類をアップロード、あるいは郵送します。受付が完了し認証されたら、IDやパスワードが届きます。
手順3.口座に入金手続きを行う
つみたてNISA口座が開設できたら、口座内に入金します。入金方法は金融機関によって異なりますが、提携する銀行からの振り込み、特定の銀行口座からの自動引き落としが一般的です。自分のスタイルに合う方法を選んで入金方法を設定しましょう。
つみたてNISAは毎月決まった日に投資するため、自動引き落としや自動振り込みなどにしておくと便利です。
手順4.投資信託を選ぶ
NISA口座に入金を済ませたら、投資信託を選びます。つみたてNISA専用の積立投資信託メニューは、投資信託を取り扱うすべての運用会社の商品を合計すると約200本(2021年12月現在)あります。
手順1の時点で投資する銘柄が決まっていれば、そちらを選びましょう。口座開設した金融機関のサイトで銘柄のラインアップを確認できます。
つみたてNISAの銘柄にはいくつか選び方があります。例えば、「株式100%型」と「複合資産型」の2タイプに分類して選択する方法です。
・株式100%型・・・出資したお金をすべて株式に投資するものです。大きな利益を狙いたい方に適しています。
・複合資産型・・・国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)に分散する投資信託のことです。株式だけでなく複数の資産を組み合わせることから、『バランス型』ともいわれています。
一定のリスクを取って積極的に資産を増やしたいときは「株式100%型」、安心して資産運用したいときは「複合資産型」を選ぶと良いでしょう。
手順5.毎月の積立金額を決定する
運用商品を決めたら、毎月の積立金額を決めます。つみたてNISAは年間40万円を上限として投資できます。12ヶ月で割ると約3万3,000円まで積み立てられます。
多くの金融機関は毎月の最低積立額を100円からなどと少額で設定できます。まずは、無理のない金額で始めてみましょう。また、積立金額の変更は、年間投資額の上限40万円の範囲内であれば、いつでも可能です。
【つみたてNISA】始めるときの注意点
つみたてNISAを始めるときの注意点を紹介します。始める前に確認しておきましょう。
一般NISAと併用できない
つみたてNISAは一般NISAと併用できません。どちらかの制度を選ぶ必要があります。どの制度が自分の投資スタイルに合うのか、検討して決めましょう。
また、NISA口座の複数開設はできません。ただし、1年単位で利用するNISA口座を変更できます。どの金融機関にするか、どのようにNISA制度を利用したいのか、投資の目的をしっかりと見据えた上で取り組むことをおすすめします。
非課税枠の持ち越しができない
つみたてNISAは年間最大40万円の投資枠があります。ただし40万円に満たなかった未使用分の枠を翌年に持ち越すことはできません。例えばある年に40万円の枠のうち36万円投資した場合、枠は4万円残りますが、翌年に4万円を持ち越して44万円投資できるということにはなりません。
翌年は40万円の新しいつみたてNISA用の投資枠が与えられます。また、利用しているつみたてNISAを解約したとしても、解約した分の投資枠が復活することはありません。
まとめ
つみたてNISAは少額で始められる投資方法です。長期運用を目指すのであれば、積立可能期間を逆算して早めに始めると良いでしょう。
つみたてNISAは、上述の手順5つを踏めば、簡単に開始できます。これまで投資をしたことがない人は、まず証券口座の開設が必要です。
また、証券口座以外にもNISAを利用するならNISA口座の開設もしなければ、つみたてNISAは行えません。NISA口座がなければ非課税での運用も叶いませんので注意しましょう。
つみたてNISAは長期間非課税で運用ができ、毎月無理のない積立額を設定すれば、積み立てていくのも難しくはありません。将来に向けて資産形成を考えるなら、つみたてNISAをひとつの選択肢として検討することをおすすめします。