月1万で運用するつみたてNISAのコツ!10年の積立でどのくらい増やせる?

月1万円の少額からでも資産運用ができる積立投資は、資産運用の初心者にぴったりです。さらに、年間積立額40万円までについて、運用益にかかる税金が20年間非課税になる「つみたてNISA」を活用すれば、お得に運用ができます。 この記事では、つみたてNISAの運用のコツやおすすめ商品についてご紹介します。

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月1万をつみたてNISAで運用したときの総額とは

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「つみたてNISA」は少額の長期・積立・分散投資に適した投資信託を購入すると、年間購入額の上限40万円を条件に、20年間は分配金や譲渡益にかかる税金が非課税になる制度です。

通常、投資信託を保有している間に得た分配金や譲渡益には20.315%の源泉徴収税 がかかります。

毎月1万円をつみたてNISAで運用したとき、10年間積み立てしたときと20年間積み立てしたとき(利回りは3%、5%の2パターン)を想定し、累計積立額と運用益の総額や非課税効果がどれぐらいになるか計算してみました。

10年間積み立てしたとき

 

利回り3%

利回り5%

運用益

19万7,919円

34万9,920円

累計積立額と運用益の総額

139万7,919円

154万9,920円

運用益の非課税効果

4万207円

7万1,086円

20年間積み立てしたとき

 

利回り3%

利回り5%

運用益

87万6,605円

167万4,577円

累計積立額と運用益の総額

327万6,605円

407万4,577円

運用益の非課税効果

17万8,082円

34万190円

月1万からはじめる積立投資の3つのコツ

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「月1万円の投資」と聞くと、「なんとか頑張れそうな金額」と感じられる一方、「少額の投資でどうやって利益を出すのか」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。少額投資を成功させるには3つのコツがあります。

長期間継続して運用する

積立投資を保有している間、利益が出ると運用益が分配されます。積立投資は資産が 値上がりした分と、分配された運用益を再び投資にまわすことができるため、元本を増やしてさらに利益を得ることができます。

これを「複利」といい、保有期間が長期化すればするほど元本を増やすことができ、多くの複利が期待できるのです。

また、投資信託の商品価格は時間とともに上がったり下がったりします。下がると不安になって積立をやめたくなるところですが、積立開始時期より価格が上がったときも下がったときも毎月1万円ずつ買い続けることが大切です。

積立を継続することで、保有期間を通じて見た場合、上げ下げの幅が縮まって平準化される傾向にあるからです。積立期間が長いほど、その の幅が小さくなり、運用の安定性が期待できます。

購入するタイミングを分散させる

投資で利益を得るには、価格が低いときに買い、高いときに売ることがポイントです。しかし、今が安いときなのか高いときなのか予測するのは簡単なことではありません。

「買いどきだと思ったタイミングで一気に資金を投入しても、その後さらに価格が下がった」ということはよくあります。

相場を判断してまとめ買いするのではなく、価格の値動きに関係なく一定の金額を決まったタイミングで買い続ける「購入時期の分散」で、損失リスクを軽減することが可能です。

とはいえ、「決まったタイミング」がどこなのか判断するのは難しいでしょう。

そこで活用したいのが、一定の金額を毎月投資する「投資信託」です。定期的に買付を行う「積立サービス」を利用し、商品の価格の値動きに関係なく、毎月一定額を買い付けます。価格が高いときの購入量は少なくなりますが、安いときはより多くの量を買うことができます。

投資先を分散させる

投資対象となる金融商品は国内株式、海外株式、国内債券、海外債券、不動産など多岐にわたります。

国内株式を例にとっても、さまざまな銘柄があります。各金融商品の収益率を追跡すると、良い年もあれば悪い年もあり、ひとつの銘柄、あるいはひとつの金融商品に絞って投資し、利益を上げ続けるのは至難のわざです。

そこで、重要となるのが投資先を分散させ、マイナスが出た商品をプラスが出た商品で補ってリスクを抑えるという考え方です。

投資信託は「投資のプロが投資信託を購入した人から集めたお金をもとに、さまざまな金融商品に投資して運用する」というものです。

何に投資しているかによって、リターンやリスクに差はありますが、分散投資のメリットを享受できる商品としておすすめです。

月1万でのつみたてNISAにおすすめの金融商品

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つみたてNISAの制度を利用できる金融商品は指定されており、一定の基準を満たしている投資信託とETF(上場株式投資信託)です。

つみたてNISAの対象商品

つみたてNISAの対象商品は、2023年7月12日現在245本あります。内訳は以下のとおりです。

・インデックス型投信 207本

・アクティブ型投信 30本

・ETF 8本

各タイプの特徴をご紹介します。

・インデックス型投信

「インデックス」とは日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)のような「指数」のことです。指数の動きと同じような値動きを目指した運用方法を「インデックス運用」といい、インデックス運用を行うように商品設計されたものを「インデックス型投信(インデックスファンド)とよびます。

指数に連動した運用を目指すため、値動きのわかりやすさが特徴です。大きな儲けを得ることよりも、安定性を重視したい人におすすめです。

たとえば、対象指数が日経平均株価となるインデックスファンドの場合、組み込まれている銘柄は日経平均株価を構成する銘柄となります。それ を組み込む際に銘柄の調査や分析などにかかるコストがかからないため、運営管理に必要な手数料が低く抑えられている点がメリットです。

・アクティブ型投信

アクティブ型投信(アクティブファンド)は、運用のプロであるファンドマネージャーが投資銘柄を選定し、ファンドの組み入れ銘柄を決定して運用します。

インデックスファンドが対象とする指数に連動した運用を目指すのに対し、アクティブファンドは対象とする指数を上回ることを目指した運用を行うのです。

アクティブファンドは、組み込み銘柄を選定する際に対象銘柄の企業調査や分析を行うため、インデックスファンドより手数料がかかります。その一方で、ファンドマネージャーが銘柄を選定するため、今は市場における評価が低いものの、将来的には成長が見込まれるような企業の銘柄が組み込まれることもあります。そのため、大きなリターンが得られる可能性があるのです。

たとえば「ニッセイ日本株ファンド」はTOPIXを上回ることを目標とした運用を行います。投資対象の株式銘柄とその組み合わせについては、委託会社であるニッセイ・アセットマネジメントが自社開発の運用モデルを使って行っています。

・ETF(上場投資信託)

一般的な投資信託は証券取引所に上場していませんが、ETFは証券取引所に上場している投資信託です。株式と同様、売買単位ごとに証券会社を通じて証券取引所に買付や売却の注文を出します。

TOPIXや日経平均株価、債券、金価格などの指数に連動した運用を目指すのです。インデックスファンドと似ていますが、ETFは株式のように相場の動きに応じて売買ができる点が異なります。

たとえば「ダイワ上場投信-トピックス」はTOPIXに連動した運用を目指すETFです。

おすすめは複数国へ分散投資をするインデックスファンド

投資信託の初心者におすすめなのは、手数料が安くリスクが低いインデックスファンドです。とはいえ、つみたてNISAの対象となるインデックスファンドは173本もあるので、その中から商品を選ぶのは大変です。

投資信託の商品は、日本国内の金融商品だけに投資するもあれば、海外の金融商品に投資するもの、さらには国内外の幅広い金融商品に投資するものもあります。日本の経済状況が厳しいときでも、景気が良い国は存在します。

「一部のマイナスを他方のプラスで補う」という分散のメリットを活かすためにも、複数の国に分散投資を行っているインデックスファンドを選ぶと良いでしょう。

「手数料(信託報酬)が安い」「複数国への分散投資」の条件を満たすインデックスファンドをいくつかご紹介します。

・SBI・全世界株式インデックス・ファンド[雪だるま(全世界株式)]

信託報酬は0.0638%。国内外の株式に投資します。「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」という世界の株式市場の動きを示す指数の動きに連動する運用を目指します。

・<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

信託報酬は0.1023%。日本以外の主要先進国の株式に投資します。日本以外の先進国の株価動向を示す「MSCIコクサイ・インデックス」という指数に連動する運用を目指します。

・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

信託報酬は0.1144%。「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」という株価指数に採用されている国内外の株式などに投資します。信託財産1口当たりの純資産額の変動率を、この指数の変動率に一致させるような運用を目指します。

まとめ

「つみたてNISA」の対象となっている投資信託商品を選ぶと、年間40万円までの積み立てなら20年にわたって運用益の税金が非課税になります。投資のポイントである「長期投資」「投資先とタイミングの分散」をおさえ、手数料(信託報酬)もチェックしながら投資信託商品を選びましょう。