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不動産クラウドファンディングの仕組み
クラウドファンディングとは、不特定多数の投資家から資金を調達して事業を行い、利益を分配する仕組みのことを指します。不動産クラウドファンディングとは、不動産運営を手掛ける事業者が、インターネットで投資家から資金を集めて収益物件を運用し、得られた賃料収入や売却益を投資家に分配するものです。
不動産投資は収益物件を購入するために多額の資金を必要とします。不動産クラウドファンディングは複数の投資家および事業者の資金で物件を運用するため、少額からの不動産投資を実現できるのです。
不動産クラウドファンディングは投資対象となる不動産の情報が公開されているため、現物の不動産投資と近い感覚で投資できます。投資家は、自分の投資したい物件や投資期間を選択することができることも特徴です。
不動産クラウドファンディングはほかの不動産投資とどう違う?
不動産クラウドファンディングは、2017年の「不動産特定共同事業法」改正により可能になった投資方法です。まず、同じく少額投資が可能なJ-REITや実際に不動産を所有する現物不動産投資とどのような違いがあるのか見ていきましょう。
J-REITと不動産クラウドファンディングとの違い
J-REITは、不動産投資法人が投資家から集めた資金で複数の不動産を購入し、得られた収益を分配する上場投資信託商品です。 不動産クラウドファンディングと同様に少額からの投資が可能ですが、投資家は投資法人のJ-REIT商品に対して投資を行う仕組みになっているため、投資対象となる個々の不動産物件を自分で選ぶことはできません。投資方針や計画に同意して投資することになります。 また、J-REITは金融商品として証券市場で取引が行われるため、いつでも投資や現金化が可能です。複数物件の運用による分散投資でリスク軽減は図られていますが、流動性が高いため値動きは大きくなります。 不動産クラウドファンディングは募集時に運用期間が定められています。J-REITのような流動性は確保されていませんが、値動きという概念もなく、投資のタイミングで収益が左右されることがありません。もちろん収益は不動産の運用結果に左右されますが、金融商品であるJ-REITほど経済変動の影響を受けるリスクは大きくないことも特徴です。現物不動産投資と不動産クラウドファンディングとの違い
現物不動産投資は、実際に収益不動産を保有し、それを貸し出すことで家賃収入を得ていく投資手法です。投資対象は主にアパートやマンションなどの居住用物件で、物件を購入する費用として最低でも数百万円からの投資になります。 現物不動産投資を始めるには、まず不動産の購入が必要です。一般的に、資金を元手にローンを組んで収益物件を購入し、家賃収入からローンを返済していくという形になります。ローンによるレバレッジ効果で効率の高い資金運用が可能ではありますが、扱う金額が大きくなるため誰にでも取り組めるものとはいえません。 また、自身で物件を運用することになりますので、賃貸経営に関する専門知識が必要になる上、物件の管理や修繕の負担も発生します。 一方、不動産クラウドファンディングの投資対象は、マンションのほかオフィスビルや商業施設などの大規模物件が中心です。運営業者の収益物件に対して出資しその物件から得られる収益が分配される仕組みですので、個人では現物投資が難しい高額な物件にも投資の幅が広がります。 不動産クラウドファンディングにおいても、賃貸経営に必要な管理費や修繕費などは実質的に投資家が負担しています。しかし、実際の運用や管理はすべて事業者が行うため、現物不動産を運用する場合に求められる専門知識や手間は必要ありません。ローンを活用した現物不動産投資ほどの高い投資効率は得られないものの、手軽に投資に取り組むことができます。不動産クラウドファンディングならではのメリット
不動産クラウドファンディングのメリットは、不動産投資にかかる手間やリスクが抑えられていることです。具体的にどのような点が投資家のメリットになるのか、詳しく見ていきましょう。
